故 ロナルド・リード 氏 約9億円の資産を築いた長期投資家の戦略は報われない

ロナルド・リード氏は、米国株をバイ・アンド・ホールド戦略に徹して、800万ドル(約9億円)の資産を築いたブルーワーカーの投資家です。



リード氏はその築いた資産の額があまりにも高額だったことと徹底した節約法、長期投資戦略で、死後に大変有名になりました。しかし、結局のところ、株式投資で築いた資産を生きている間には使うことはできませんでした。

リード氏の人生に共感できない

以前にも、2回、ロナルド・リード氏についてとりあげましたが、果たして、彼の投資法を我々もまねるべきなのでしょうか?

薄給だけど、「とにかく貯金が大好き、資産が膨らんでいく数字を見るのが趣味です」という人には、リード氏の投資法は断然お勧めです。

しかし、みなさん、実際のところ、自分の心の中や人生観を分析してみて、すごく共感して、実践したい素晴らしい人生だとおもいますか?

私を含めて、多くのみなさんは、共感できないと思います。92才まで生きてきて、ただお金を貯めるだけの人生って楽しくないし、どうかしています。

そもそもみなさんが米国株投資をして資産を増やしたいのは、将来、金持ちになって、お金を使おうと思っているからですよね。お金を使いたいと思っている人が全くお金を使わずに節約して資産を増やすという戦略はかなり矛盾した行為です。

長期投資は時間切れになりがち

ある程度、節度をわきまえて倹約するのなら我慢できますが、92才までお金を使わないで投資しつづけるというのは、普通の人なら受け入れられません。せめて定年する年齢になったら、築いた資産で豊かな暮らしをしたいものです。これから平均余命も長くなりますし、人手不足も深刻化し、65才まで定年は延長されるでしょう。65才になったら、築いた資産で生活したいです。

株式投資を始める時期が早ければ早いほど、長期投資は複利効果で資産が大きくなります。しかし、20才代から始める人はそんなにいないでしょう。リード氏も37才からでした。

仮に35才から米国株投資を始めたとしたら、定年まで30年間です。S&P500 ETFなら、平均すると年7%資産が増えていきます。だいたい10年間で2倍になります。30年間なら8倍です。35才の時に、日本人の平均貯蓄の1,000万円を持っていたとします。定年のときには、8,000万円にしかなっていません。そこから年7%ずつ増えていく資産で生活すると、年560万円です。米国株の場合、日本とアメリカの両方で課税されます。ほかに収入がなければアメリカからの課税分が控除されないこともあります。年400万円しか手に入りません。夫婦だったら、働きにいって小遣いを稼がないとあまり豊かな暮らしはできないかもしれません。

実際のところは、35才のときに1,000万円を貯金で持っていることはむしろ稀で、定年までの30年間に毎月こつこつ積み立てることになります。そうなるとさらに複利効果は小さくなり、きびしくなります。

アーリーリタイアなんて無理

アーリーリタイアしたいとか思っていて、55才で仕事を辞めたら、なんと20年間です。4倍にしか増えません。アーリーリタイアなんて無理です。

3つの手段しかない

リード氏になりたくなければ、対策として、3つの手段が考えられます。

1つめ

早い年齢の時から株式投資を始める。15才から始めれば65才まで50年間あります。年7%ずつ増えていけば、32倍になります。1,000万円あれば、3億2千万円です。15才の時に1,000万円持っていないとは思いますが、やはり期間は重要です。バフェット氏も子供のときから投資をしています。その後、約80年投資しているわけですから、年7%でも256倍になります。25億6千円です!これなら悠々自適です。

2つめ

稼ぎを増やす。今さら昔に戻って、小さいときから投資することはできません。

そうなれば、稼ぎを増やして、その貯金を投資するしかありません。

薄給だと、どうしてもリード氏戦略になってしまいます。

とにかく稼ぎを増やすことです。

しかし、一方で、稼ぎが増えても生活の水準をあまり上げずに投資にお金を回すということが重要です。これが一番難しい。

3つめ

S&P500を上回るリターンを目指す。これはリスクを伴います。バフェット氏の生涯平均リターンは年20%で、S&P500をアウトパフォームしていますが、バフェット氏の投資は安全な投資のようで、やはりS&P500ETFに比べると、よりリスキーだということです。たまたま長期間、幸運にも大きな痛い目に遭わずに運良く生き残れただけなのかもしれません。

結局、稼ぎを増やして節約するしか方法はないのです。