連続増配株 増配率が低い株は要注意

昨日の12月27日のアメリカ株式市場は、一旦下げましたが、終盤上昇して、プラス圏で終了しました。しばらく神経質な相場が続くのかもしれませんが、一安心です。

米国株は、20年以上連続して配当金が毎年増配されている銘柄が150社以上あります。日本では長期に増配されている銘柄は、花王の1社のみです。アメリカ株には、なぜそこまで増配している銘柄が多いのかということですが、経営者が配当金を毎年せっせと株主に出さないと、無能な経営者と言うことで、首になってしまうからです。ですから、よほどの経営不振でない限り、従業員を首にしてでも、株主のために増配します。

日本の企業でそんな状況になったら、経営者は、さっさと無配にしてしまいます。日本の会社の社員は家族みたいなものですからね。経営者は、株主に配当金を出す前に社員の生活を守ります。そのほうが、私は正しい姿のように思うのですが、世界の資本主義の常識は違います。日本の会社は株式会社でなくても良いのかもしれません。

増配するにも限界がある

アメリカには連続増配の企業が多いとは言っても、毎年増配していったら、配当利回りがどんどん上がってしまいます。配当利回りは年5%ぐらいが限度です。それ以上の配当利回りになると、社内の剰余金がどんどん減ってしまい、経営がやばくなります。

一時的に株価が急落して、配当利回りが7%とかになることもあります。しかし、優良企業で成熟した連続増配株なら、いずれ株価が上がって利回り5%ぐらいに戻ります。その反発力を利用して、利益を上げる手法が、シーゲル博士の株式投資法です。

しかし、5%以上の配当利回りになって、そのまま倒産とか、減配とかになってしまう銘柄もあります。利回りが高いと言うことは、ヤミ金融みたいなもので、やばい株だということです。最近では、高配当株のゼネラル・エレクトリック(GE)アンハイザー・ブッシュ社(BUD)が、株価低迷で、配当利回りが上がりすぎたので、減配しました。こういう無理した配当を蛸配当といいます。

AT&Tの連続増配

AT&T社(T)は、配当利回り5%もある連続増配株の銘柄として大変有名です。電話事業の会社なので、それほど成長がみこめません。ずっと同じ事業を繰り返しているので、成熟した企業です。毎年増配していたら、Tの株価は全然上がっていないので、蛸配当になるはずです。実際、12月28日現在の配当利回りは、7.12%です。いまは、株式市場全体の株価が落ち込んでいるので、蛸配当ではないとおもいますし、減配することなく、いずれTの株価は反発すると思います。

連続増配でどのくらい毎年、Tは増配しているのかなと見てみると・・・・

毎年1セントでした!

年率で計算すると、約2%の増配率ですね。

なんというか、毎年、給料アップするよ、といわれて、毎年1円ずつ上げられるような、なんとなくだまされた気分です。

約2%の年間増配率だったとしても、株価が毎年2%ずつ上がらなければ、いずれ配当利回りがグングン上がって、蛸配当になっていまいます。だから、Tのような安定した成熟企業は、その程度の増配率にしておかないとしょうがないです。株価はそれほど上がらないけど、確実に配当金はゲットできる銘柄ですね。

やはり成長株の増配率は大きい

じゃあ、石油会社のエクソンモービル(XOM)やたばこ会社のアルトリア(MO)はどうでしょうか?これらの銘柄も配当利回りが高く連続増配のディフェンシブ銘柄です。どちらの銘柄も現在5%前後の配当利回りがあります。

グラフ作ってみました。2009年の配当金を1として、次の年は何倍になっているのかな?と見てみますと。

グラフは横軸は左にいくほど新しい年です。

やっぱり、Tは、傾き小さいです。2009年と比較して、2018年は、1.2倍にしか配当金が増えていませんでした。これって連続増配って、胸を張っていえるのかなあ?

XOMは、着実です。ただ、ここ数年は原油安で、増配率が鈍っています。2009年と比べて2018年は、約2倍に配当金が増えています。

MOが、がんばっています。同じ期間で、2.4倍です。

アップル(AAPL)は、2012年から配当を出しています。たった6年間で、1.9倍に配当金が増えていて、XOMとほぼ同じです。それだけ株価が上がっているから、配当金の増配率も高いと言うことです。

ロッキード・マーチン(LMT)は防衛関連銘柄で手堅いと言われています。最近、株価が下がっているので、配当利回りは、3.3%です。2009年と比べて2018年は、3.5倍に増配されています。

ビザ(V)が驚きです。配当利回りは、0.8%で、ダウ銘柄の中では、最低です。しかし、2009年と比べて2018年は、12.5倍に増配されています!

増配率が低い銘柄は儲からないかも

私の考察ですが、結局、毎年増配率が高い銘柄は、当然株価も上がっています。上がっていなければ、どんどん配当利回りが上がってしまって、蛸配当になるはずです。

逆に、Tのように増配率が低い銘柄は、株価が上がる見込みのない銘柄と言うことになります。早い話、株価が上がらんから、ほんのちょっとだけ増配しています、ということかと思います。インカムゲインは確実ですけど、キャピタルゲインは望み薄で、おそらく、インカムとキャピタルを合わせても、市場平均は下回ると思います。

最初に述べましたが、アメリカの優良企業は、なかなか減配しません。したがって、優良企業で、増配率が高い銘柄を買って長期保有すれば、配当金の増配によるインカムゲインとキャピタルゲインも狙えるのではないかと思います。

タマゴとニワトリの話みたいに、株価がグイグイ上がっているから、配当金の増配率も高いんだよ。株価が低迷したら、配当金の増配も鈍化するよ。という考えもあります。XOMがそうですよね。

だから、とりあえず気をつけないといけないのは、連続増配だからといって長期保有しても、Tのような銘柄だと、手堅いけども、市場平均を下回ってしまうということです。