1月11日(金)のアメリカ株式市場は、下落して引けました。5日連続で上昇していましたので、そろそろ下がるかなと思っていましたが、下落幅も小さく、一安心です。
メーシーズ(M)急落
19世紀からの老舗、米国最大手の百貨店であるメーシーズ(M)の株価が、1月10日急落し、18%安となりました。2018年の年末商戦の売上高が予想を下回り、業績予想を下方修正すると発表したためです。

小売業界が年末の売上が下がっているというのはかなり厳しい状況です。
既存店ベースでの売上高は、1%弱(たったそれだけ!)増えたそうですが、値引きをしすぎたために、利益がむしばまれたとのことです。
実店舗型の小売業界は厳しい
最近では、アメリカの百貨店のシアーズが倒産しました。シアーズも100年以上の歴史を誇る老舗百貨店です。
メーシーズの株価急落につられて、米百貨店コールズ(KSS)も急落しました。
これらの一連の現象は、アマゾン(AMZN)によるネット販売の成長が要因です。
そもそも、アメリカの百貨店は、日本の百貨店にくらべると高級感が全くないです。日本で例えるとダイエーやイオンをちょっとマシにしたような感じです。田舎の近鉄百貨店や西武百貨店みたいな感じというとわかりやすいかもです。
こんな百貨店だったら、わざわざ家族や恋人とプレゼントを買いに行かなくても、ネット通販で充分だよね、とアメリカ人も思うのでしょう。
これからは実店舗型の小売業界は、店員の人件費の問題や在庫管理などさまざまなコストの関係で、ネット通販に対して競争力を維持することは難しいと思います。
終わっている業界に投資するのは苦しいよ
いくら成熟優良企業といっても、業界全体が斜陽産業であれば、株式投資によって大きなリターンを得ることは難しいです。
新聞業界やテレビ業界、市中銀行、カメラ、フィルムなどの企業に投資しても業界全体が尻すぼみなので、安心して長期投資できそうにないです。
まあ、魚のいない池で、魚釣りをするようなもので、上手な釣り人でも、良い結果は得られません。
実は、私は以前に、メーシーズ(M)株を保有していたことがあります。老舗ですし、株価が下がっていて、配当利回りも高いので、割安感を感じて保有しました。アメリカに住んでいたときに、メーシーズで買い物もしていたことがありましたしね。ちなみに現在の配当利回りは、5.9%です。
しかし、実際には、株価は上がるどころか下がるばかりで、本当に気が滅入る毎日でした。幸い、配当金は減配されませんでしたが、増配もほんのわずかで、このまま下がっていった状態で長期保有していたら、いずれは減配してしまうでしょうね。
百貨店業界もどこかは生き残る
おそらく、こういう斜陽産業でも企業間の統廃合が進んで、長期保有していたら充分なリターンが得られる銘柄も出てくるとは思います。ただ、自分の持っている銘柄がそうなるとは限りませんし、その間に減配のリスクもあります。要するに生き残り競争になってしまいます。それって、IPOしたての成長株を長期保有して、10倍株(テンバガー)になる戦略と変わらないと思います。