「ヘイブン」 アマゾン、JPモルガン、バークシャーハサウェイの医療合弁会社

ブルームバーグが伝えたことによると、かねてから言われていた、アマゾン(AMZN)JPモルガン(JPM)バークシャーハサウェイ(BRK)が新たに立ち上げる医療合弁会社の社名が、「ヘイブン」に決まったそうです。なんとなく医療なのに、死後の世界の「天国」という名前をつけられていて違和感を感じます。日本だったら炎上しそうです。

アメリカの医療は歪んでいる

新会社のCEOのアトゥール・ガワンデ氏は、「ヘイブンは患者の代弁者となり、患者のケアと費用を改善したい人なら、それが誰であっても味方になる」と述べました。

たしかに、アメリカの医療業界は、新薬や新しい手術器械などが次々開発されていて、最新医療が提供されているはずなんですが、医療費の自己負担が高すぎです。私もアメリカに住んでいたとき、同僚の奥さんが妊娠して出産したら1泊2日までは保険でカバーできるけど、それ以上になると自費で1泊50万円近くかかりました。医学的には1泊2日で退院できるので、それ以上入院しなくてもいいのかもしれないけど余りにも高すぎです。

「足の指痛い」ということで病院へ行った同僚は、とりあえず総合診療医が診察し、整形外科医の予約を1週間後に取られ、次はその医師に、「足指専門医」の予約を1ヶ月後に取られました。手遅れになりそうです。

会社が契約していた保険会社が安かったからかもしれません。

目医者と歯医者は別保険に契約しなければ診てもらえません。ブラックな企業だと目医者と歯医者と契約していないので、虫歯になったら日本に一時帰国して治療をうけたほうが安かったりします。

ヘイブンは、プライマリケア(初期医療)と保険の簡素化、薬価の引き下げを目指すとのことで、まさに、私がアメリカで体験した不条理をアメリカ人もやはり疑問に思っていることなのでしょう。とりあえず、3社の従業員120万人を対象にサービスを開始するとのことです。

当然、これらの会社は社会問題を是正するための慈善事業をするためではなく、こういう問題があるからこそ、市場でのニーズがあると睨んだことなのでしょう。

日本の医療も歪んでいる

一方、日本の医療は自己負担が安価でバラ色かというとそんなことはありません。先日の日経新聞によると、病院の入院ベッドが過剰なのに、なかなか縮小が進まず、とりあえず入院しなくてもいい患者を入院させて、入院費用を稼いでいる病院が続出しているとのことです。入院費用は当然、税金で補填されています。個室ではない大部屋だと、ホテルに泊まるよりも自己負担はずっと安いです。だから、年末年始のベッドが空床になりがちな大都会の病院では、ホームレスを入院させて稼ぎます。宿泊費が浮くのでwin-winです。

日本の医療は、税金で補填されるので、よほど明らかに効く定番の治療しか正式に認められません。最新医療を受けようと思うと、自由診療になります。大きな総合病院、特に国立大学の附属病院では、うちでは自由診療は出来ないと言われて、ことわられます。

いずれ門戸は開放される

国立大学の医師は相当優秀な人材であるのにもかかわらず、いざとなると、お役所仕事です。日本では国立大学の医学部の入学試験がとんでもなく難しく狭き門です。でも、大学に入ってから勉強することは、国が定めたカリキュラムに沿った教育をお役所仕事の教員から受けて、卒業後はお役所仕事をします。

優秀な人材なんだから、なんかもっとクリエイティブな仕事につける学部にいけばいいのにと思います。

文系も文系で、一番優秀な子は、東大の文1に入学して、官僚になってお役所仕事をしています。

たしかに日本でイノベーションが生まれにくくなっているはずです。

いずれ医療業界もアメリカから門戸が開放されるときがくるでしょう。それはそれでまた歪みが生じるでしょうね。