フランスの上院がアマゾン(AMZN)に対して、デジタル課税の導入を承認しました。さすがにフランスもアマゾンという特定の企業に特別の税金をかけるわけにいかないので、フランスでの売上高が2,500万ユーロを超え、世界での売上高が7億5千万ユーロを超える企業に対して、デジタルサービス事業の収入に3%の税金を課すという措置です。
トランプ大統領も報復課税を宣言
今回の措置に対して、トランプ大統領が、フランス政府のデジタル課税が実施される場合、報復措置としてフランス産ワインに新たな関税をかけると言明しました。いつの間にか、アマゾンのビジネスを批判していたトランプ大統領が、アマゾン(AMZN)の味方をしてしまっています。
アマゾンも値上げで対抗
確かに、フランス政府の課税もアマゾン狙い撃ちのようなルールで、無茶と言えば無茶な話ですが、アマゾン(AMZN)の方も黙ってはいません。
小売業界は低利益率なので、課税された分、コストに転嫁するとのことです。結局その分、アマゾンを利用する消費者が値上げされてしまうということになります。
3%ぐらい値上げされたぐらいで、消費者はアマゾンを利用しなくなるかと言われると、今後も利用し続けてしまいます。
アマゾンは日本でも値上げ
こういう価格設定を上手に消費者に転嫁できるビジネスを展開している企業は、株主にとってはウハウハです。ちなみに今年4月に日本のプライム会員に対して、いつの間にか年会費を1,000円値上げしていました。
私も全く気付きませんでした。私の周りのプライム会員になっている人たちも誰も気づいていませんでした。実際、お急ぎ便の指定を無料で行えたり、Amazonプライム対象商品は手数料が無料になったり、プライム会員で居続ける方がメリットが大きく、今回の値上げに関して、激怒している人は皆無です。
アマゾンはすぐ取り返せる
CEOのジェフ・ベゾス氏が今年4月に離婚に伴って、奥さんのマッケンジーさんにAMZN株の4%(約4兆円)を譲渡しました。それでもジェフ・ベゾス氏の資産規模は依然世界1位とは驚きです。
離婚して株式を譲渡する時期と、日本のプライム会員の値上げの時期が同じなのが気になります。たまたまの偶然だとは思いますが、離婚で失った財産を値上げで取り返そうと思えば、アマゾンは消費者に転嫁して簡単に取り返せるのです。
AMZNはバフェット銘柄
ウォーレン・バフェット氏の投資銘柄の条件の1つとして知られていることですが、コストやインフレに対して、価格を消費者に転嫁させられる企業が優位性が高く安定して利益を生む構造になっているのです。
今後もアマゾンは色々理由をつけたり、または理由もなくこっそりと値上げをしてくるでしょう。それでもAmazonプライム会員を続けたいと思っている人は、AMZN株を保有しましょう。プライム会員で取られた分よりももっと大きなリターンが返ってきます。