2019年7月25日、アップル(AAPL)がインテル(INTC)のスマートフォン用のモデムチップ事業を買収することを発表しました。買収額は10億ドルで、2019年末に買収が完了する予定です。
iPhoneのチップは、クアルコムかインテル製
これまで、iPhoneのチップは、クアルコムかインテル製が搭載されていました。今回の買収で、今後のiPhoneのチップはインテル製のみになっていくのだと思います。インテルの従業員2,200人もアップルに移っているので、今後は、iPhoneに最適化したチップが開発されると思います。
iPhoneの5G対応は遅れている
もともとアップルは、クアルコムと5G対応モデムの知的財産でもめていましたが、最近和解しています。これで5Gモデムに関しては、クアルコムが独占状態になり、インテルはスマホ向け5Gモデムチップから撤退しました。しばらくは、現在のインテル由来のチップとクアルコム製のチップが搭載されたiPhoneが販売されるでしょう。
開発には時間がかかりますし、アップルが独自に開発した自社製のチップが搭載された新型iPhoneは2020年のモデルからでもまだ間に合わないかもしれません。しかし、将来的には5G対応のモデムチップを開発して、iPhoneに搭載することを目指しているのだと思います。iPhoneの5G対応は他社スマホに比べると遅れていると言われています。
iPhoneはハードソフト両方を1社が開発したから
ハードとソフトの両方をしっかり自社で開発するというのは独創的な製品を生み出すためにとても大事なことです。iPhoneがガラケーと大いに異なっているところは、画面を素手で触って操作できるという点です。本体とOSとを別々の会社が作っていたら、こういう発想の製品は生まれなかったと思います。いつまでたって、キーボードなどのボタンが本体にくっついていたことでしょう。
同じようなことで、Macの操作性がすごく直感的で使いやすいのも、本体とOSとを同じメーカーが開発しているからです。
モデムチップを自社開発すれば、5Gの高速通信を生かした革新的な製品がアップルから登場すると思います。